高校三年生の夏。

僕はよくここまでやったもんだ。

女子と関係を持った。

関係といってもセックスでは無い、もっと僕にとっては素晴らしいもの。

「ねえ、勉強教えてよ」

僕は童顔で女の子に間違えられるような風貌を逆手に取って誘い出す。

声だって声変わりがしていないので女子のようだ。

どうしようもなく俺を悩ませる、むちむちの体をした洋子さんを誘った。

女子ボクシング部の元気はつらつな女子だ。

「いいよ! いっしょに勉強しようか!」

洋子さんは元気に俺にそう言ってくれた。

 

高校になって両親がいなくとも僕がこうやって安泰した人生を送れているのは

相当な遺産が残っているからだった。

僕は地下室を作り、さもそこで勉強をするが如く女子を誘い込んだ。

 

「ここ、何?」

うすぼんやりと灯りが仄かに照らされるじめじめした部屋。パソコンがポツンと事務机の上にあり

その横には本棚が有る。

「田辺君? ここ……何? 勉強するんじゃなかったの?」

洋子さんは不安そうに僕の名を呼ぶ。

 

「ごめん、嘘なんだ」

「えっ?」

「僕さ、女の子のむっちりした体を見たらつい殴りたくなっちゃって……」

「な、殴るって?」

「文字通りこうだよ」

 

ドスッと思い音が響いた。洋子さんの腹に俺のパンチが

めり込んだ。

僕は「やってしまった」と心臓をドクンドクン高鳴らせながら反応を見る。

「うぐぇっ……」

洋子さんは苦しそうに腰を落としたが、本能的なのだろうか、腹を抑えたまま出口に向かって

僕を突き飛ばし走っていった。

ガチャガチャとドアノブをひねる音がする。

「開かない……鍵がかかってる!?」

洋子さんはそう言いながら必死の形相でドアノブをひねる。壊そうとしているのかな。

「無駄だよ」

「けっ、警察に!」

「馬鹿だなぁ、警察にも行けないじゃない」

俺はそう言って洋子に近づくと二発目のパンチをボディに打ち込んだ。

どぼっ! と少し湿っぽい音がした。

「うぐあっ!」

洋子さんは完全に腰を落とし膝をついた。

「僕さ、洋子の、そのムチムチした体を見てるとどうしようもなくなっちゃってさ」

「ぐぅっ」

会話にならない。俺は洋子さんが落ち着くのを待った。

 

 

「水だよ」

洋子さんに差し出したが僕を見て怯えているようで、受け取ってくれない。

それどころか

「お、犯すの?」

と言われる始末だ。

「僕は犯す事なんて考えてないよ。ただ君を殴りたいだけだ」

「ひぃっ」

洋子は両手で顔を隠す。完全に怯えている。

リアルだ。

女の子を殴れる風俗に行ったことがあるが、それはフェイクだった。お金を払っているから

発生する偽の物語。

これはまぎれもないリアルだ。もっと怯えて欲しい。

薄暗いせいだろうか、聴覚が冴え渡り、洋子の吐息がよく聞こえる。

「洋子さん、何で女子ボクシング部に入ったの?」

僕聞いてみた。言葉責めをしたかったから。

「それを言ったら逃がしてくれ……る?」

僕は洋子さんのその言葉に首を左右に振った。

「だよ……ね。でもこんな事して、後で警察に」

「警察に行くのか、構わないよ」

僕は即答した。何ものにもリスクは付くものだ。僕は洋子とプレイをする代わりに

色々と失うモノは多い。そんな事は解っている。

ただし、プレイがきちんと終わるまでは絶対に逃がさない。

「捕まってまで、何でこんな事するの?」

「いいじゃないか。どうせ逃げられないんだから質問に答えてくれよ」

僕は出来るだけ優しく言った。

「女子ボクシング部に入った理由……。 それは強くなりたかったから」

「嘘だね!」

僕は全て知っていたのですぐにそう叫んだ。だてに盗撮をしてるわけじゃあない。

「嘘じゃなくて本当に強くなりたいから」

きっとそう言う洋子さんの心拍数は上がっているんだろう。更に僕が上げてやる。

「俺、洋子さんが変態的な行為をしてるのを知ってるんだ」

「なっ!」

洋子さんは驚いた顔をする。このまま現実を突きつけてやる。

「洋子さん、二年生の頃、先輩の使用済みのマウスピースをクンクン嗅いでたでしょ」

「し、知らない!」

しらを切るのか。俺はパソコンで動画を立ち上げた。

「これを見てごらん、洋子さん」

洋子さんが片っ端から女子ボクシング部の更衣室のロッカーをあけて

他人の使用済みマウスピースを嗅ぎながら股間を擦っている画像が流れ始めた。

「や、やだ! 止めて!」

「止めないよ。これが洋子さんのリスクだから。ばれないとでも思った?

そもそも何で匂いなんか嗅いでるの? どう見ても変態じゃないか」

洋子さんは黙り込んで赤面している。

「洋子さん、同じ女の子の唾の匂いを嗅いで、何でこんなに興奮してるの? もう

隠せない事実なんだから俺に教えてよ」

洋子さんはしばらく赤面して俯いていた。が、この場から逃れられないのを理解したのか

口を開いた。

「ふ、ふだんツンとすましてるスタイリッシュな先輩がこんなに臭いモノを口にくわえてると

思ったらむしょうに興奮するから……匂いを嗅いでた」

「へー、ギャップでオナニーをしてたんだ」

「う、うん、そうだよ!」

「洋子さん、強がっても駄目だよ。どんどん恥ずかしがって欲しい。

君はただの変態なんだから弁解の余地すら無い」

「何とでも言ってよ」

「いいのかい? 変態! 洋子さんは人の唾の匂いを嗅いで興奮する変態だ。この変態!」

「そこまで言わなくてもいいじゃない! 貴方も人の事を殴りたいってただの変態じゃない!」

「ああ、僕は変態だ。僕の全てを君に見せるよ」

僕は学校の制服を迷わず脱ぎだした。

「ちょ……っと、田辺君?」

そうだ洋子さん。僕の一つ一つの行動に驚愕して怯えて欲しい。

「田辺君、何してるの!?」

「何って、僕の全てを見て欲しいからだよ」

変態だって事は十分に承知している。

「ほら、田辺さんをこれから好きなだけ到ぶれると思ったらこうやって勃起しちゃうんだ」

「ああああ、ああ……」

洋子さんは最初こそ顔を手で覆っていたが、もう僕の股間に目を奪われ

まじまじと見つめている。

「さあ洋子さん、ボクシングしようか」

「え?」

「ボクシングプレイだよ、君も僕を殴ってくれていい。プレイしようじゃないか」

「……」

洋子さんは絶句している。そりゃそうだろうが、僕はかまわず用意しておいたボクシンググローブを付けて

マウスピースをくわえた。

「さあ洋子さん。そのバッグに一式揃ってるんでしょ? 装備して僕と殴り合いしようよ」

しばらく何も言わずに洋子さんはブツブツ何かを言っていたが、観念したように

ボクシンググローブとマウスピースをくわえた。

「駄目だよ。全部脱いで」

僕の言葉に、案外あっさりと洋子さんは服を脱ぎ始めた。

全裸の洋子さん。ショートボブでボーイッシュな顔に、むっちりした体。

太ももには液体が伝わっている。

「洋子さん、濡れてる?」

「そ、そんな事……」

「垂れるほど濡れてるよね、それともそれはおしっこ?」

「いや、これは……」

僕は洋子さんのパンツを拾い上げた。

「おしっこじゃないよね、クロッチの部分がびちゃっと濡れてるけど、なんだか

生臭い匂いがするよ」

「いやっ……嗅が……ないで」

「無理だよ。この狭い部屋では洋子さんのパンツを匂わなくても生臭い匂いがするもの。

濡れてるんだよね?」

「う、うん……」

「嬉しいよ、洋子さんも凄い変態だったんだね」

「わ、私は……そう。変態」

洋子さんは認めてくれた。

「殴って殴って、洋子さんの吐き出すマウスピースを僕も嗅ぎたいよ」

「いいけど、私も殴っていいんだよね?」

「いいよ、プレイしよう」

僕は殴られないだけの自信があった。

この日だけの為に必死で練習して来たんだ。

パンチをひがすら避けると、洋子さんのボディへパンチを打ち込んだ。

柔らかい。

柔らかいボディへ僕の拳がめり込む。

グジュルジュルッと音がする。これは腸のねじれる音かな?

「ここでは何でも有りだから吐いてもいいんだよ?」

「うぶっ……」

洋子さんが吐き出したのは唾液だった。大量の唾液。

「いいよ、いいよ洋子さん。ねっとりして臭そうな唾液」

「くっ……」

洋子さんのフック!

僕は軽く交わすと頬にフックを打ち込んだ。

 

ぐじゅぅぅぅっ!

 

汚らしい音がして、洋子さんは更に唾液を吐き出した。

びちゃびちゃっ

 

 

「洋子さんツバを出しすぎでしょ、僕さ、ペニスに触らなくても射精しそうだよ」

「わ、私ってツバの量が人より物凄く多いから……」

「そうなんだ。それは知らなかった」

「もう田辺君には全部見られてもしょうがないよね」

そう言って洋子さんはツバをダラリと吐き出した。

ビチャビチャビチャビチャ………

 

「もっと、もっと出るよ」

「凄いや洋子さん、あそこから出る粘液よりツバが沢山出るんだ」

「うん、もっともっと出るよ」

ビチャビチャビチャ……。

洋子さんは信じられない程のツバを吐き出して床をビシャビシャにした。

ツーンとする匂いが部屋に充満する。

「殴ったらもっと出るかな」

「やってごらん」

洋子さんはノってきたようだ。ひょっとするとマゾだったのかもしれない。

思い切りパンチを顔面に打ち込むと洋子さんの顔がひどくひしゃげた。

ぐじゅぅぅぅっ!

ツバが大量に吐き出され、パソコンのディスプレイにびちゃぁぁつ!とかかった。

「僕の顔にかけてよ」

ボディを連打する。

柔らかいお腹に……ぐにゅぐにゅしてる洋子さんのお腹に僕のボディが何度も突き刺さる。

「うぐぅ、べぇっ!」

射精に似てる。一気にペニスから白濁液がほとばしるように

大量の唾液に包まれたマウスピースを洋子さんは急に吐き出した。そしてそれは

僕の顔にベチャッと当たる。そしてその後、大量のツバが僕の顔に降り注いだ。

 

 

 

 

臭い。刺激臭が臭い。これが洋子さんのツバの匂いの真髄。

そして洋子さんはあおむけにダウンした。

「洋子さん、ここも……」

僕はあおむけに倒れた洋子さんの脇に顔を埋めた。

すえた匂いがプーンと鼻に残る。

「汗の匂いも凄いけど、洋子さんってちょっとワキガ? すえた匂いがひどくするよ」

「そう、ワキガよ……ボクシング部でワキガちゃんってあだ名が付いてるの」

「そうなんだ、洋子さんいじめられてたとか?」

「うん、いじめられてた。だから腹いせに、済ました顔した先輩の生マウスピースを

クンクン嗅いで、臭い臭いって思いながらオナニーしてた」

「歪んでるなぁ」

「田辺君こそ、歪んでるよ……」

「そうだね」

お互い笑顔になる。人間は誰しも根本的に変態でわかりあえるものなのかもしれない。

僕は洋子さんの顔面を殴りまくる。

気持ち酔い。

部屋は生臭さで充満している。全て洋子さんの匂いだ。

汗から愛液まで様々な匂いがこの部屋に充満している。

「洋子さんのマウスピース、臭いのかな。嗅いでいい?」

「恥ずかしい……」

僕はマウスピースを拾い上げてクンクンと鼻を鳴らした。

「洋子さん、ひょっとして」

僕は思わず口に出した。このマウスピースは臭すぎる。

「わかった?……私、マウスピースずっと洗ってない」

「そうか、それでこんなに臭いんだ、でもどうして洗わないの?」

「その……汚いものをくわえて無様にダウンする自分に……」

「興奮する?」

「ウン」

「変態だね。自分でも嗅いでるの?」

「嗅いでる。日に日に臭くなっていくのに興奮しちゃって」

「凄い変態だ。猛烈な匂いがするよ」

「恥ずかしい……」

洋子さんは変態だった。股間から物凄い量の粘液があふれ出ている。

自分の臭いマウスピースに興奮してダラダラと粘液をあふれ出させているのだ。

「洋子さんの唾液と愛液が混じってこの部屋がヌルヌルになってるね」

僕は床に鼻を近づけ、生臭い色々な液体のミックスされた匂いを楽しむ。

「田辺……君」

「ん?」

「あの……もう好きなだけ好きな事してかまわないよ?」

洋子さんがカミングアウトした。

「もうイったら終わりと思ったんだけど、休憩とりながらイってもいいの?」

洋子さんは頷いた。

良かった。一度イってしまったらプレイは終わりで警察行きだと思っていたからだ。

「じゃあ洋子さん、射精したいんだけど……」

「うん、ツバの匂い? あそこの匂い? どこでイきたい?で、何にぶちまけたい?」

「洋子さん、じゃあマウスピースをくわえなおして?」

「うん」

洋子さんがツバまみれのマウスピースをガプリとくわえた。

「きっとそれを吐き出させてみせるから……」

「うん、来て」

僕は思い切りアッパーを放った。

 

ぐしゃぁっ! と果実が潰れるような音がして、洋子さんがのけぞりマウスピースを宙に吐き出した。

天井が低いのでマウスピースがベチャッと当たって落下する。

勢い良く吐き出されたマウスピースは床と天井を行き来しながらツバをまき散らせてあばれまわった。

散々跳ねた後、ゴロリとマウスピースは転がり、あおむけに倒れた洋子さんが

ビクンビクンと体を痙攣させている。

「ぶぅっぐぶぅっ!」

唾をゴブリゴブリと吐き出す洋子さんはとても艶かしい。

僕はとりあえず一回イく事にした。色々と迷ったが

「これをマウスピースのかわりにくわえて」

僕はそう言うと洋子さんの口にペニスを突っ込んで

ビュルッ、ビュルルッと精液を吐き出した。

ビュルッ、ビュルルルルルッ、ビュルッ、精液が止まらない。

大量に出るそれを洋子さんは喉を鳴らしながらゴキュゴキュと飲んでくれる。

「洋子さん……飲んでくれるんだ……」

何も返答は無く、に喉がゴキュゴキュと鳴る音だけがする。

気持ちよすぎて射精は三分程続いた。

ひたすらビュルビュルと精液は出て、よくこれだけ出るものだと驚く程だった。

ごきゅっ、ごきゅっ。

「ねえもう出ないの?」

「う、うん。凄く出しちゃったし」

「キンタマは空になったの?」

ドクンと僕の心臓が跳ね上がる。

洋子さんの口から『キンタマが空』という言葉が出るとは。

淫語というんだろうか。興奮してまた僕は射精をした。

「あっ」

洋子さんは一滴も残さないと言わんばかりに僕のペニスに吸い付いた。

ドクッ、ドクッ、ドクッ。

何度か射精したが、それを口の中へ貯める。

「ごぼごぼごぼ、ほら田辺君」

洋子さんは口の中の僕の精液をぐちゅぐちゅかきまぜながら僕に見せてくれた。

「これを……飲むね」

ゴキュッと音がして口をあけると精液はなくなっていた。

「ねえ、本当にもうキンタマが空? まだ出るんじゃない?」

「出るかもしれない。洋子さんがこんなにエッチだったなんて」

「私は変態。エッチ。先輩の使用済みマウスピースをクンクンするほどに落ちぶれた

無様な変態なの。こんな私で精液を残さないほどに射精してっ!」

「でも、何か新しいシチュエーションが無いと無理かも」

僕がタジタジとしてしまう。こんなに大胆だなんて……洋子さん。

「じゃあこのツバまみれのマウスピース。ぐにゅぐにゅだから輪っかにして……」

「うっ」

生暖かい感触が僕のペニスに広がる。

「ほら、私のマウスピースオナホールってどう?」

柔らかいマウスピースがオナホールのように僕のペニスを包み込んで

ローション代わりの唾液がニチャニチャと音をたてながら上下した。

「うぐっ、気持ちいいよ! 洋子さん、洋子さんのツバでペニスが擦れて……」

「感じて。私のマウスピースオナホールで感じて白い粘液をどんどん吐き出して。

 

びゅるっ! びゅるるっ! びゅるっ!

「はぁっ、うむ」

洋子さんは残らず僕の精液を飲んでくれる。

「そろそろ私も限界……」

「え?」

洋子さんが感じていたとは気がつかなかった。

「イくから何かえっちな言葉を浴びせて、あっ、あっ!」

「えと、洋子さんの汚いツバやマ○コから溢れる液体で部屋中がぐちょぐちょだよ」

「もっと!」

「臭いよ、洋子さんの出すもの全てが汚くて臭くて耐えれない程だよ」

「そう、そう!」

「洋子さん、イっちゃえ。色々な液体を噴出させながらイっちゃえ!」

「わ、わかった! 無様に性奴隷みたいにイっちゃうから責任とって! はぁぁ!」

 

 

 

ぐぶじゅぅっっ!

 

洋子さんのあそこから……粘液がほとばしった。凄い勢いだ。

そしてツバを大量に吐き出して……。

それを見ながら僕は射精をしてしまって。洋子さんにぶっかけて……。

頭が真っ白に。

太陽の黒点。まわりより温度が低く黒く見える。

そっとそれを観察するのが僕の楽しみだった。

 

「責任はとるよ」

僕はその言葉をやっと吐き出した。

 

 

……

 

 

愛って何だろう。

 

僕の真っ白な頭が色を取り戻してきた頃。

洋子さんの豊満な胸に顔をうずめている自分に気が付いた。

「大事にするから。だから、こんな僕を」

僕は泣きながら言う。誰にも受け止められないだろう僕の性癖。

僕は一人だ。そう思った。

温度が無いわけではないがまわりより低い為に黒点となる。

太陽の黒点のように隠とされた存在、それが僕だ。

そんな僕を抱きしめてくれている洋子さん。

 

もう満足だ。さて、僕のような変態は警察に通報されて捕まってしまえばいい。

それがリスクだ。気が遠くなる。

 

 

次に目が覚めた時も、僕は洋子さんの胸に顔を埋めていた。

「あなたは馬鹿で変態で、驚くほど自分に素直な人間なんだから!」

洋子さんはそう言って僕を抱きしめている。

ああ、僕みたいな人間でもこうやって生きていく事が許されたのか。

そう感じると僕は心の中にぽぅっとした仄かな温かさが広がった。