Y&T

陽子はすぐに気づいた。

さつきのトランクスの股間が明らかに濡れている。

(濡れてる?ならもっと面白くしちゃおうかな)

陽子は日ごろのうっぷんを全部晴らす気だ。

「あー、暑い。下もぬいじゃおっかな」

さつきがドキッとする。

陽子はスルスルとトランクスを脱いだ。

薄い陰毛と、クッキリとした割れ目があらわになる。

「さつき!あんたも脱がなきゃフェアじゃないよね」

「ボ、ボクシングには関係ないでしょ!?」

さつきは食ってかかる。

「そっかぁ、脱げない理由があるのかな?フェアじゃないなぁ」

「わ・・・分かったわよ!」

さつきはゆっくりとトランクスを降ろす。

(お願い乾いていて・・・乾いていて・・・)

さつきの願いも虚しく、本気汁が性器からトランクスの股間にかけて

ツツーと糸を引いた。

「あれ?あんた感じてるの?何で白濁したマジ汁出してるの?」

「みっ・・・見ないで・・・」

陰毛が濃く、割れ目も見えない状態だ。

さつきは真っ赤な顔をしてトランクスを脱ぎきると、リング外へ放り投げた。

「これでフェアでしょ、問題無いでしょ!」

さつきはツンとした態度で言った。

「あんたがそんなに陰毛がボーボーだなんて、クラスの男の子が知ったらどう思うかしら」

「・・・・・・」

さつきの戦意はどんどん削られ、無くなりかけようとしている。

「はっ!」

さつきが気づいた時には目の前に陽子がいた。

「くたばれっ!」

ずばっ!ずばっ!と左右のフックがさつきにぶち込まれる。

「くたばるのはそっちでしょ!」

パァン!パァン!とさつきのフックが陽子に当たるが、ダメージになりそうにない。

さつきの腰から下はプルプル震えて、全く腰の入っていないパンチになっている。

「パンチはこう打つんだよ!」

すばっ!すばっ!

さつきの口から血が吐き散らかされる。

「くっそおネェ!」

「口で言う前に手を出しな!」

スバァァッ!

今までより強烈なフックがさつきの頬にめり込む。

さつきの目がイってしまった。

カフッとマウスピースが吐き出される。

二人しかいない静寂の時間、マウスピースがボトッ、ボトッと跳ねる音だけがする。

「く・・・くそおネェ・・・」

悪態だけはつけるようだ。

「そんな口も叩けないほどにぶっ潰さないといけないね!」

 

ぼぐぅ!

 

さつきの無防備なボディに、アッパーぎみにパンチを打ち込んだ。

 

「うぶ・・・」さつきの苦悶する声。

 

「もう何も言えないでしょ」

陽子は価値を確信した。

 

「言ってやる・・・言って・・・うぶ・・・」

さつきは喋りながら途中で詰まり、顔を下に向けた。

「ごばっ、げぽっ、ぶぼっ!」

三度ポンプのように透明な胃液をゴポっという音とともに吐き出した。

そして

「くそおネェ・・・」と言うとそのままうつぶせに、自分の吐いた胃液の上にベチャっと倒れた。

 

 

 

 

「あ、おネェ、私どうなってた?」

さつきが気がつくと、夜も遅くなっていたようで部室に電気がついている。

「悪態ついて倒れて、そのまま気絶したね」

「吐いたのは覚えてる・・・」

「んじゃ、私の勝ちね」

「そうだね・・・」

「なんかさ、あんたの事ムカついてたから」

「私、おネェになんかしたっけ?」

「いや、なんか成績良くて何にでも要領いいから」

「その件に関しては、私はおネェのほうがいいなと思ってる」

「なんでよ」

「勉強だって、ガンガンやらないといけないから友達とワイワイ遊べない・・・」

「あ、勉強そんなにしてたんだ」

「おネェは遊ぶことばっかりで私のこと見てなかっただけでしょ」

「うーん、そうかも、Mだった事も知らなかったし」

「それマジでナイショにしといてくれる?最後のボディでイっちゃったし」

「言うつもりはないよ、あそこの毛ボーボーとか」

「なんか言いふらしそう・・・」疑わしい目でさつきは陽子を睨む。

「ま、勝った負けたはもういいや、なんかバカらしくなってきた」

「一生血のつながりは消えないしね」

「まあそういうこっちゃ、たまにはこうして衝突する事も必要なのかね」

「かもね、おネェはSだから怖いけどね」

「うっさい!・・・じゃ帰ろ」

「帰ろう」

         完