《桐生麻子について》

桐生麻子。

基本マウスピースフェチ。

自分のマウスピースは洗わない。

今日、遂に新しいマウスピースをおろす日が来た。

「ごくろうさま」そう言うと使い古したマウスピースを真空パックセットに入れる。

掃除機で空気を吸い取って、アイロンで空気が入らないように密着する。

これで押し花ならぬ押しマウスピースの完成だ。

満足。

10室でごろりと横になってそれを眺める。

ふにふにとやわらかさを確認する。

「オナニーネタ完成・・・」部屋に一人なのでわざといやらしい表現で言ってみる。

その後赤面でまくらを顔にあててゴロゴロ転がる。

ひとしきり恥ずかしがった後、その真空パックされたマウスピースに日付を書く。

その後、誰もチェックしない机の一番したの引き出しに入れる。

10個程たまっただろうか?

「そろそろかな・・・」一番古い真空パックマウスピースを手にとって、麻子は夜を待った。

 

 

皆が寝静まった。

麻子は子供がおもちゃの付録をあけるように興奮しながら急いではさみでそれをあける。

真空パックのおかげか、上手に保存されていた。

すぐに唾液の匂いがツーンと部屋に漂う。

麻子はそれを自室のレンジで軽く温めた。

これで吐き出したままの状態のマウスピースの完成だ。

両手に持って嗅いで見る。唾液と、うっすら鉄のような血の匂いがする。

臭い。これを口にいれてどのくらい殴られたんだろう?

たしか部長みずから出て来て、ボコボコにされたやつかも。

思い出すと、いてもたってもいられない、服を次々と脱ぐ。

最期はパンツ・・・。

やはり濡れていた。

これが私のパンツ・・・くしゃくしゃに丸めて匂いを嗅ぐ。

ひどく愛液の匂いが強い。酸っぱい匂いがする。

布団に寝転がってマウスピースの匂いを再度嗅ぐ。

(これが私のマウスピースの匂いなんだ)

右手で匂いを嗅ぎながら左手で性器を弄る。

(主将はこの時、容赦なく私を殴った)

思い出が蘇るほど興奮する。

 

「あんた、マウスピースのサイズ、でかすぎるんじゃないの?」

「ほら、でかいからツバがすごい散る!後で掃除しなさいよ!」

 

確かにそう言われた。

オナニーをしながら、麻子は「ふぁい」と過去の主将に返事をする。

そして麻子は目一杯股を開く。

「誰か、いや、みんな見て!」

誰もいないからこそ麻子は自分をさらけ出すことが出来る。

 

 

「弱〜い、すぐやめるんじゃないの?」

(やめないです!ずっと殴られたいです!)

 

「うわっ、マウスピース本当にでかい・・・ボチャッって落ちたわよ」

(それをみんなにも見てもらいたいんです)

 

過去の部員達にも返事をする。

快楽の波が押し寄せてくる。

性器全体をまさぐると、充血して大きく開いている。

「こ・・・ここは・・・」

クリトリスを触ると、肥大していた。

そこを集注して触る。

過去の部員達の声。

みじめな自分。

それを確証づける証拠のマウスピース、そして匂い。

それらが一気に襲い掛かってくるとき。麻子は絶頂した。

(うぐっ・・・声を出しちゃダメ!)

腰を中心にベッドの上で跳ねる。

「ああっ!」声が漏れた。初めて潮を吹いたからだ。

ドピュッと勢い良く飛んだ液体はカーテンやテレビに付着した。

 

 

「掃除しなきゃ・・・」

持っていたマウスピースをベッドに置いて立ち上がった。

マウスピースを持っていた手をクンクンと嗅ぐ。

確かに、しっかりと唾液の匂いはした。