《アフター・ザ・ラストバトル アナザー・ザ・ラストバトル》
「・・・」
美佐子が一人で夜空を見上げている。
外出は禁止だと医者に言われたが、どうも病室で寝ているのは自分に合わない。
「美由紀ちん・・・出て言っちゃっただすな」
ぽつりと独り言を言う。
自分は楽天的な方だ。それはよく分かる。
しかし、ぽっかり心に穴が開いてしまった。
「ライバルか・・・美由紀ちんと小百合ちん・・・」
そう言うとコーラをゴキュゴキュと飲む。
「なんでカップのコーラっていつも氷をキャンセルするの忘れるんだすかねぇ・・・ははは」
そして板チョコレートをパキパキ音をたてて食べる。
パキパキパキパキ・・・
星がにじんで来る。
(なんか、寂しいだすね・・・こんな夜は)
「こんばんは」
零がいつの間にか横に座っていた。
「おうっ!びっくりしただす!」
「何、センチになってるんですか」
「人生色々考えることだってあるだすよ!私も」
「何考えてたんですかぁ♪」
「いろいろだすっ!」
「へー」
「そういえば、零は目が見えなくなるの怖くなかっただすか?」
「怖かったですよぉ!」
「そうか・・・つええなぁ・・・」
「強くもないですよぉ」
「そうか?」
「目が見えなくなってから、見えなくなったらどうしようって恐怖は消えましたから」
「・・・」
「今日はいいお月様ですか?」
「ああ、お前にも見せてやりたいだすよ」
「大丈夫です、感じられますから」
「お前、おもろいな」
「でしょう?私がいますから・・・だから・・・」
「ん?」
「いや、何でもないですよ♪」
「何だよ、気持ち悪いな」美佐子は笑いながら言う。
「気持ち悪がられるくらいでちょうどいいんですよ♪」
「何だよ、わたすには美佐子がいたんだ」
「はい♪」
「なんか、元気出た」
「それはなにより♪」
「あたたった・・・鎮痛剤切れてきた・・・」
「無理するからですよ、病室に帰りましょう♪」