《彼女の香り》

奥野健二は高校三年生。ボクシング部だ。

彼女もいる。名は大槻さやか。

いつものように健二は部室のリングの清掃を一人でやっていた。

「神聖なリングだからな」これが彼の口癖。

 

「遅いよ!」健二といっしょに帰りたいさやかが、部室に乗り込んできた。

「あー、悪りぃ、なんか掃除に夢中になっちゃって」

「ふーん・・・」さやかが部室に入ってきた。

「ふわっ!汗くさーい!」さやかはわざと鼻をつまんで手をうちわのようにパタパタと扇ぐ。

「こんなもんかな・・・」健二はリングから降りてロッカーへ清掃道具をしまいに行った。

(リングか、ちょっとのぼっちゃお)さやかはリングの上へ上がる。そして

「チャンピオン誕生でございます!」と叫んで両手を挙げた。

健二が戻ってくると、(カンベンしてくれ)というような顔をして、又ロッカーに清掃道具を取りにいこうとした。

「まった!」さやかが大声で制止する。

「何だよ・・・」

「私にもボクシングの技教えて?」

「危険だからだめだ」

「じゃあ危険じゃない技教えて?」

「うーん・・・クリンチくらいかな?

「教えてくれる?」

「その位ならいいよ」

健二もリングに上がる。

「ようするに相手に抱きつくわけよ、抱きついてきな」健二は正直、面倒臭かった。

「抱きついたー、隆二の匂いがするー♪」

「満足したか?じゃあ清掃してから帰るぞ」

 

 

「ちょっと待って、健二がまだクリンチしてない」

「俺はいいんだよ、練習しまくってるし」

「不公平!」

「しょうがないな、抱きつくぞ」

「こーい!」

健二は抱きついて驚いた。

さやかの体から異常に汗の匂いがする。

 

 

「どう?匂う?これが目的だったんだけどね」さやかの声のトーンが下がる。

「よいしょっと、脱いじゃえ」

さやかはセーラー服とブラジャーを脱いでトップレス姿になった。

「健二、あなたが匂いフェチってことはもうバレてるよ」

「まじか・・・」

「もう体中蒸れてすごい匂いだと思うよ」

「嗅いで・・・いいのか?」

「ええ、いいわ。どこから嗅ぐ?」

「えと・・・えと・・・」たくさんありすぎて健二には絞りきれない。

「しょうがないなぁ・・・」さやかは右腕を上げた。

 

「ほら健二、これ健二の為に剃らなかったんだよ?」

腋毛が生えている。

カワイイ彼女に腋毛が生えているというギャップに、健二は興奮してしまった。

「さあ健二、顔をうずめていいよ」

健二は言われるままに、さやかの脇に顔をうずめた。

腋毛のせいか、ひどく蒸れている。

「ああ・・・いい匂いだ・・・濃厚なフェロモンの匂いがするよ・・・」

「香水とか匂い消しスプレーとか使ってない、生のままの匂いよ」

「ああ、凄く匂うよ」

「今日体育があって、終わってからも脇はほったらかしにしてたから、これ以上の匂いはないわよ。臭い?

「臭い・・・でも俺にとっては天国のような香りだ」

「健二はおまんこの匂いより脇の匂いのほうが好きなんだよね?」

「どこから調べたんだ・・・まあその通りだけど」

健二はまだ必死に脇を嗅いでいる。

汗の酸っぱい匂いが健二の脳を刺激する。

嗅いでいるうちに、匂いがさらに濃くなってきた。

「なんか・・・どんどん匂いが濃くなって来てるぞ」

「あ・・・私発情しちゃったから匂いが濃くなってるのかも」

「このままずっと嗅いでいたい・・・」

「はい今日は終わり」さやかは手を降ろした。

「ありがとう・・・堪能出来た」

「喜んでくれて嬉しい♪毛を伸ばした甲斐があった」

「ああ、凄くセクシーだ」

「じゃあ次の機会があったら、脇におちんちん挟んでしごいてあげようか」

「是非!」

「わかった、じゃあもうちょっと腋毛は伸ばしておくね」

「ああ、頼む」

 

健二の楽しみが一つ増えた。

 

                             END