《ダスター氏の冒険》

こなたはガッチリガードを固める。この10分をガードで乗り切る気だ。

かがみのパンチの嵐。こなたは歯をかみ締めて耐える。

「ごめん、こなた耐えてぇぇぇぇぇ!」かがみは叫びながらパンチを打つ。

(あと10分でフィギュアだよ♪)平常心をとりもどしたこなたは、あと10分が待ちきれない。

 

ずぶ・・・

 

油断したこなたのみぞおちにパンチが深く突き刺さる。

「あえっ・・・」こなたが唾液の塊を吐き出して膝をついた。

「ンぶふっ・・・」こなたの口から血みどろのマウスピースが吐き出される。

が、こなたは急いでそれをつかんで口に入れた。

「あと10分・・・あと10分・・・」

「こなたよけてー!!!」かがみの声が急にして、こなたが気づいた瞬間

バシュバシュバシュバシュ!!

「うぶぇうぶぇうぶぇっ!」連続でフックがヒットした。

こなたのまわりに血と唾液の飛沫が飛ぶ。

ぐちゃ・・・・

 

顔面が潰れる音が最後にした・・・。

こなたの顔が、かがみのパンチでこれほどかという程に歪んでいる。

「あと・・・10・・・ぷぇっ!」

こなたが宙に折れた前歯とマウスピースを吐き出した。

「やるんじゃ・・・なかった・・・」そういうとこなたは前に倒れ、痙攣を始めた。

「こなた・・・こな・・ぶ・・・ぶぇぇぇ・・・」折れた歯を見てかがみが嘔吐する。

「ぶぇぇぇぇぇ・・・おぇぇぇぇぇぇ・・・がっ・・・がっ・・・」もう胃液も出ない。

 

 

 

 

「何寝てるんだい?」

ダスターの声に、二人は目を覚ました。

「あ・・・あれ?あれ?」

こなたは無傷、かがみの嘔吐の跡もない。

 

「寝ちゃうんだもん、手抜きにも程があるよ」ダスターはそう言って時計を指さした。

とっくに時間は終わっている。

「しょうがないけど、まあフィギュアあげるよ」ダスターはショーケースからレアフィギュアをこなたに渡す。

「おお、え?まあいいか、らっきー♪」

 

 

二人が帰った後、ダスターは手元のケースを開ける。

 

「こなたくんの血まみれマウスピースと前歯、かがみさんの唾液まみれマウスピースゲット♪」

ダスターが手をぽんぽんと叩くと、時空に穴が開く。

「さあ、次はどの二次元世界を行こうかな、フフ、あー、こなたくんのマウスピース、やっぱ臭い、金かけてよかったなー♪」

ダスターは次の二次元の獲物を探しに、消えた。

 

 

「ばんざーい!レアフィギュアー!」

「こなた!前歯どうしたの?」

「!」

 

ラッキー編 完