《祭》

「信夫・・・信夫・・・のぶ・・・」

うなされるように香奈は目を開けた。

月曜日の朝だ。

「あ・・・あさ?」

夢を見ていたようだが、夢の内容を覚えていない。

信夫に何かを言いたかった夢を見たような、見ていないような。

「はぁ・・・ジムのハードワークでガタガタじゃ、今日は休もう」

香奈は学校へ休みの連絡を入れた。

 

 

(あれ?香奈はきとらんのか?)

信夫はいつも学校に早く登校しているはずの香奈の姿が見えない事に、少し不安になった。

「ま、あいつも風邪くらいひくじゃろ」信夫は独り言を言って、自分の机に戻った。

そして日課になっている静子の手紙を見る。

「あは、あいつ39時間テレビみとったんじゃ」信夫が笑っていると

手紙が一通出てきた。

「あれ?」

拾って差出人を見ると、信夫の顔が険しくなった。

「香奈・・・」

すぐに開封してみる。

 

 

 

―話したいことがある、電話欲しいー

 

それだけだった。

フゥ・・・と信夫はため息をついて手紙を机の奥に差し込んだ。

「俺は振られたんじゃ・・・」そう言うと、静子の手紙を読み出した。

 

 

 

「電話・・・かかってこんのぅ・・・まあ今日休んだけ、しょうがないっちゃな」

 

 

夕方、香奈は軽く寝ようとした時、電話が鳴った。