《アフター・ザ・ラストバトル》

(ああー今日も午後からトレーニングしよー)

美由紀はダラダラ寝ていた。

朝の7時だ。二度寝にはもってこいの時間。

とその時

どんどんどんどんどん!

ドアを激しく叩かれた。

最初は無視をしていたが、うるさくてかなわない。

美由紀は目をこすりながらドアの鍵を開ける。

 

「美佐子登場〜」ドアを押しのけて美佐子が入ってきた。

その後ろから零も入ってくる。

「零、みろ!美由紀ちんは下着姿で寝るだすよ!」

美佐子は興奮したように指を指して叫ぶ。

「なっ・・・何しに来たの?」美由紀が言うと

「え?遊びに来た」と美佐子にフツーに返された。

そのうち、部屋掃除用のホウキをギターにしながら騒ぎ出した。

「エディ・ヴァンへイレン!」

「帰れ」美由紀は無理やり押して部屋から出そうとする。

「美由紀ちんのいけずぅ!これからパフェ食べに行こうと思ったのにん!」

「パフェ?」

「どーん!とでかいパフェ!」

美由紀は頭を抱える。

「あんたねぇ・・・試合一週間切ってるのにそんな甘いもの・・・」

「だから美由紀ちんも食べるだすよ」

「はぁぁ?」

「お互い食べたら互角だす!」

「すごい理由だな・・・」

「食べに行くだす行くだす!」美佐子は子供のように駄々をこねだした。

「しょうがないなぁ・・・私はダイエット系の飲み物だけ!それならいいけど?」

「それでもいいだす!行くべ!美由紀ちん!零!」

 

 

というわけで三人は町へ繰り出した。

人は多いが、零は人の合間をスルリスルリと上手に歩いていく。

(なんか目が見えるみたいな動きだな)美由紀は驚いた。

「ついた!ここだすよ!お勧めのお店!」

なるほど、お洒落な店だ。ここでダイエット飲料だけを頼むのは気が引けるというか場違いだ。

結局、三人の前には山のようなパフェが運ばれてきた。

(このカロリーを消費する運動量・・・)美由紀は少し考えたが、食べることに専念することにした。

「零、       今日の午後は花壇で日向ぼっこするだすよ!」

「はーい♪」

「あ、それと零」

「はい?」

「おっぱい揉ませて」

「いやだー美佐子先輩!」

「じゃあ美由紀ちんに揉ませてもらうからいいだすよー♪」

「ちょ!」美由紀は美佐子から伸びてくる手を払った。

「美由紀先輩。美佐子先輩は女好きですからそこんとこよろしくです♪」

「男より女だす!だってモチモチしてるし♪」

(私はこんなに濃いキャラが学校にいるのを知らなかったのか)美由紀はため息をついた。

 

「美由紀ちん、零のヤツ、目が見えなくてもかなり色々できるようになっただすよ♪」

美佐子は零にむかって爪楊枝を投げる。

零はそれを人差し指と中指でキャッチした。

「すごいだすなぁ・・・零は第六感が目覚めただすね、じゃあ最終試験、これはどうだぁ!」

フォークを投げる。

 

 

 

 

 

グサッ

「ぽーぽぽぽぽぽ♪」零の脳天に見事突き刺さった。

「わーっ!刺さっただす!すぐ抜くだす!」零の頭からフォークを抜く。

ぴゅーっと血の噴水があがった。

「ぶ・・・ぶっちゃー」

一言言うと、零は椅子から落ちて倒れた。

帰ってからKに美由紀と美佐子はさんざん怒られた。