《アフター・ザ・ラストバトル》
「油断したか・・・いつつ」美由紀はゆっくり立ち上がる。
「油断ってか、なーんか気が抜けてる感じがするんですよね♪美由紀先輩」
零が見下すような不適な笑いを見せる。
「やっぱりぃ、小百合先輩のコトとかあるんじゃないんですかぁ?」
その言葉に、美由紀はカーッと頭に血がのぼった。
「うるさいっ!」大振りなパンチ。
「おお〜?」零はスイスイと後ろへ滑るようにパンチをかわす。
(また飛び込み型のストレートか!)美由紀は構える。
「行きますよー♪」
力強く零が飛び出す。パンチの矛先は美由紀の顔面だ。
「なーんだ」
美由紀は左へスッとよけた。
「飛んだら一直線だから、少し動きゃいいのか」
「あれー?美由紀先輩の顔面が無いですね!」零が叫んだ瞬間
ドボッ!
美由紀の強烈なストレートが、宙に浮いている零のボディにめり込んだ。
「ぶフッ・・・・」
零がすごい勢いでマウスピースを噴出した。
とん・・・とん・・・とんとマウスピースが跳ねる音だけがする。
美由紀は零のボディにパンチを叩き込んだまま、零を持ち上げている。
「な?簡単だったろ?だからラウンド数とか指定しなかったわけ」Kが面倒くさそうに言った。
「ちょっとエグすぎたかな?軽く当てりゃよかったのに、なんかムカついてぶち込んじゃったから」
美由紀はそう言って零を下ろした。
「いやー・・・凄い・・・パンチですね♪」
「ちょっと、あんた顔が青いよ」美由紀は焦って言うが
「こんなに早く新技が・・・敗れるなんて・・・ブラボー・・・でしゅ♪」
零はコーナーポストに向かって話しかけている。
「いや私はこっちこっち!」美由紀が言った瞬間、零はあおむけに倒れた。
「あのー・・・なんかさ、小百合の事を忘れろとは言わんけど、零とツルんでみ?面白いぞ」Kがからかい半分に言う。
「このバカとですか?なんか新必殺技とかぬかしてましたけど・・・」
「また新しい技を考えるんじゃない?そいつそういうの好きだから」
「まあ・・・K先生・・・とりあえずこいつを医務室へ連れて行きます」
「頼んだね〜」