《変態だよ!レンナちゃんセカンドシーズン》

「主将!」レンナがサンドバッグを叩きながら話しかける。

主将は座って何かを考えているようだ。

もうすぐ生徒会主催の学園祭のようなものがある。それについて考えているのだろうか。

「しゅっしょー!」レンナが再度大声を出すが、主将は動かない。

寝ている。

「起きろゴリラァァァァァ!」レンナが主将の脳天にエルボーを落とした。

「ふごぉぉぉぉっ!」

主将は再度動かなくなった。

「やってしまった・・・おわびに・・・」

気絶している主将の手にバナナを握らせておいた。

主将は筋肉が凄いだけでわりとフツーのルックスなのだが、レンナにとってはゴリラらしい。

 

「もうすぐ大イベントがあるのに、女子ボクシング部はどんな出し物したらいいんだろうなぁ」

レンナは頭を悩ませながらサンドバッグを叩き続ける。

「んあ?なんか首イタイ、あれ、なんで私バナナ持ってるの?」

「あ、主将おはようございます」

「おはよう・・・ってかこのバナナ、レンナお前だろ」

「ちげーよゴリラ」

「お前か・・・」

「じゃあ言い換えます」

「言って見ろ」

「メスゴリラ」

「性別だけで妥協するわけないだろ・・・」

 

トレーニングが一通り終わると、皆は出し物について会議を始めた。

「はいはいはーい」レンナが手を挙げる。

「いい案があるか、言って見ろレンナ!」

「おうゴリラ」

「やっぱ他に意見のある人―」

「はいはいはーい」レンナが再度手を挙げる。

「しょうがないなレンナ、ゴリラとか言うなよ・・・案を言って見ろ」

「わかったウホ」

「・・・まあいい、続けろ」

「べたにスパーリング体験でいいとおもいまーす」

「本気にならなければ、ボクササイズ感覚でウケそうだな」

「全裸で」

「全裸って!廃部になるわ!」

「やだなぁ、参加者がですよ」

「・・・」主将は偏頭痛がするように頭を抱える。

「あ・・・はーい」レンナベタ惚れの理利が手をあげる。

「はい理利、言って見ろ」

「人相手では危ないので、サンドバッグを叩くとか、その程度まで落としたらいいと思います」

「そうだな、BGMでもかけてワンツーワンツーと叩いてもらうのもいいかもな」

 

「理利ちゃんパンツ下さい」

「はいレンナは黙ってろ、他に案のある者」

「・・・・」

「無いか、じゃあ主将の私から意見があるのだが・・・フツーにうどん屋とか出してもいいかも?」

いいかもと皆がざわめき始める。

「あ、私うどん作るの得意です♪」理利が手を挙げながら言った。

「ダシは理利ちゃんのマン汁?」

「レンナちゃん!違います!ちゃんとしたダシです!」

「本気汁だな」

「もう何汁でもいいです!本番ではちゃんと作りますからね!」

「おちょくって悪かったよ」レンナは理利に謝る。

「頼むから一度くらい私にも謝ってみてくれ」主将は言った。