《脇役》

(相手の背が高くて・・・もう少しなんだけど・・・)

試合も佳境に入り、お互いスタミナが無い。

こうなるとクリンチが多くなる。

既に二人のスポーツブラははじけ飛んで、トップレス状態だ。

汗をお互いに大量にかき、ムワッとした匂いがお互いにする。

(それにしても胸の谷間に顔を埋めてクリンチしているのも苦しい・・・)

クリンチしたまま、顔をいったん相手の脇へ持っていった。

「うぶっ」

汗でぬめった脇が顔にまとわり付くだろうと予想していたが違った。

ほんのり湿った腋毛に顔をうずめる格好になっていた。

(腋毛?こんなに!スポーツブラで隠す気だったのかしら!?)

汗だけでは無く、それでいてワキガではない酸っぱい濃厚な香りがする。

(これはワザと処理していない!)

フェロモン臭、酸っぱさ、そして恥部を嗅いでいるかのような性的な興奮が頭を支配する。

(私はレズなんかじゃない・・・レズなんかじゃ・・・)

と思いつつ、残りのラウンドを心待ちにしている自分がいた。

どうやら子宮まで支配されてしまったようだ。

「私の脇の匂い、どうだった?」

それが試合で最後に聞いた言葉だった。

強烈なショートフックで私はダウンしてそれから・・・。

                              おわり